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北海道新聞旭川支社

第2部*人を呼び込む
5*安心なまちづくり*医療、福祉充実 武器に 2007/03/17
更別村老人保健福祉センターで健康診断を受けるお年寄り。高齢化が進む中、安心して住めるまちづくりが進む
更別村老人保健福祉センターで健康診断を受けるお年寄り。高齢化が進む中、安心して住めるまちづくりが進む

 本別町が二○○五年度、勇足地区に整備した定住促進団地。広々とした宅地が整然と広がる中、新築の住宅が一軒だけポツリと見える。全十二区画中、これまでに売れたのは、この家が建っている一区画だけだ。

 同団地の売り込みを図ろうと、町は新年度、管外在住者を対象に「お試し暮らし」事業を始める。本別公園内の町有コテージ宿泊料を半額にし、一週間程度滞在してもらい、本別の良さを知ってもらう試み。中でも町がPRに力を入れようと考えているのが福祉分野の取り組みだ。

 町は二○○○年度までに、市街地を見下ろす丘陵地「太陽の丘」に国保病院と総合ケアセンターを建設、介護老人保健施設も誘致し、保健、医療、福祉サービスの基盤整備を終えた。その後は福祉への町民参加など、ソフト面の充実に努めている。今年一月には、認知症などではいかいする恐れのある人を地域で支える「SOSネットワークシステム」を開始。住民が高齢者の家で家族の代わりに面倒を見る「やすらぎ支援事業」も軌道に乗り、有償ボランティアには四十人が登録した。「息抜きができる」と家族の満足度も高い。

 町保健福祉課は「団塊世代が一斉に定年退職する今が町を売り込むチャンス」と力を込める。

 地域住民のうち六十五歳以上の人口割合を示す高齢化率で、十勝管内は昨年十月現在、平均22・2%と全道平均よりも0・4ポイント高い。特に陸別、池田、豊頃、足寄、浦幌の五町は30%を超える。日本全体が超高齢化社会を迎える中、この値が今後さらに増えるのは確実。医療、福祉が充実した安心なマチは、定住者を呼び込む上で武器になる。そのモデルとなるのが更別村の取り組みだ。

 三月上旬。村老人保健福祉センターの機能回復作業訓練室に、お年寄りの笑い声が響いた。村が介護予防のため週一度実施しているリハビリ教室。保健師による血圧測定や健康相談の後、リズム体操やボール遊びで体を動かす。毎週通っているという村内の六十代女性は「おかげで全然、病気をしません」と声を弾ませた。

 村唯一の医療機関である国保診療所は六年前、半年以上常勤医師のいない状態が続いていたが、村担当者らが奔走し、室蘭市の医療法人から医師派遣を受けることに。現在はこの規模の自治体としては異例の常勤医三人が勤務し、救急を含めると二十四時間年中無休で診療に当たる。○五年度には就学前までだった医療費無料化を、管内で初めて小学六年生にまで拡大した。

 さらに今年は、高齢者、障害者施設と分譲宅地を一カ所に集めた「リラクタウン」構想も本格的に始動する。総事業費約十億円をかけ、○八年度に二十九床の特別養護老人ホーム、一○年度に障害者向けの作業所とグループホームをそれぞれオープンさせ、村内外から利用者を集める。既に複数の問い合わせがきているという。

 ○五年の国勢調査で、更別村の人口は、五年前と比べ三十四人増加した。道内の村で人口が増えたのは同村と後志管内泊村だけだ。その自信を背景に、村の担当者はこう断言する。「今後、定住人口を増やすためのキーワードは『福祉』だ」と。(西田美樹)

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