北海道新聞帯広支社
Hokkaido shimbun press Obihiro branch




 当エッセー教室は、北海道新聞帯広支社が主催。現在帯広はじめ鹿追、大樹、芽室、上士幌の計5会場で開いており、合わせて90人を超す方々が専任講師の指導を受けながらエッセーの書き方を学んでいます。教室は月1回のペースで開かれ、毎回受講生が作品を持ち寄り、作品の講評を講師から受けます。受講は4月から翌年の3月まで。




「亡き人」 高橋 史子(63)=横浜市*帯広教室 2018/06/13

 スマホのLINE(ライン)で知人から届いたのは、予想もしない死亡通知だった。
 亡くなったのは、プロギタリストの「ジーヤン」。井上陽水と同じ福岡県出身で、横浜市戸塚区の駅やホールを中心に、演奏活動を続けていた。
 ガットギター1本で、クラシック、ポピュラー、演歌まで巧みに奏で、聴衆を魅了した。6、7年前から通うようになった月1回の定期ライブでは、彼の伴奏でみんなが声をそろえて歌う。本当に楽しかった。
 昨年11月、彼が大きな手術をすると聞いた。クリスマスコンサートでは元気な姿を見られたものの、「1人暮らしの病み上がりでは何かと困るだろう」と考え、すぐ食べられる食料品をお正月、自宅あてに送ってみた。10日後に戻されてきた時は「演奏旅行で不在だったのかな」と思っていた。
 それから数カ月たって届いた訃報。享年66歳。風貌は若々しかったけれど、私より年上だったことも初めて知った。
 彼が動画サイトに投稿した「亡き人を偲(しの)ぶ」という作品がある。中島みゆきの「時代」をソロ・ギターで演奏し、ジェームズ・ディーンやマリリン・モンロー、手塚治虫など、亡き著名人の画像が次々と現れる。胸を揺さぶる、すばらしい出来栄えだった。
 いまでは、彼自身が「あちら側」へ行ってしまった。
 これまで、すてきな音楽をありがとう。心の栄養を与えてくれたジーヤンに、感謝の言葉をそっとつぶやいた。


 
 バックナンバー
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