北海道新聞帯広支社
Hokkaido shimbun press Obihiro branch

「心を癒やす園芸療法」 小野 忠三郎(76)=帯広市*帯広教室  2018/03/28

 毎月第4火曜日は、自治会による資源ゴミの回収がある。定期的にためておいた新聞を整理するのが、私の役目となっている。
 ふと、2月9日の北海道新聞夕刊が目に留まった。「花育(はないく )」と「園芸療法」に関する記事だった。私は初めてこうした言葉を知った。
 「花育」とは、花や緑に親しみ育てる機会を通して、優しさや美しさを感じる心を育てるのが目的という。
 「園芸療法」は、心や体を病んだ人たちを癒やすリハビリに、園芸活動を生かすものだ。今や園芸は趣味の粋を超え、教育や治療の役割も担っているのだとか。
 「自分がやっているのは、これか」と思い当たった。
 1月25日の夜、泊まりに来た長男が、トランクから重そうな段ボール箱を取り出した。2階の洗面所で白いポリ容器を洗い、何やら植えた土に肥料を混ぜ、リビングに持って来た。
 「ぼけ防止には野菜の栽培が効果的らしいよ。二人でアスパラを育ててみて」とのことだった。
 ポリ容器は31センチ四方、高さ25センチの大きさで、底に水受けがある。温度管理は難しいものの、しばらくすると本当に生えてきた。太さはせいぜい鉛筆くらい、中には竹串ほどに細いものもあるけれど、食べてみるとちゃんとアスパラの味がする。
 日差しに向かう発芽の挨拶(あいさつ)は愛らしい。きょうもまた、か細い緑の茎をながめているだけで、心が和むのだ。


 

 

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