北海道新聞帯広支社
Hokkaido shimbun press Obihiro branch

「『スカイプ』しようぜ!」 中村 稔枝(69)=大樹町*大樹会場  2018/02/28

 今やテレビ電話が、各家庭にもやって来る時代だ。娘夫婦の転勤を機に、夫はこの便利なスカイプを設定してくれた。しかし、婿は仕事が多忙で、なかなか接続出来ずにいたが、正月休みにとうとう繋(つな)がった。
 初めて送られて来た映像を見て、
 「パパ、でかした! ようやく繋がったね!」
 褒めちぎる私の言葉に、ニヤニヤと得意顔をしている。
 孫たちは大喜びで、二人揃(そろ)って押し合いながら、カメラの前で喋(しゃべ)ったり踊ったり、賑(にぎ)やかだ。ふと自分の顔がモニター画面に映っているのが見えた。髪はパサつき、化粧をしていない様子は、まさに70歳の顔だ。電話だと、身だしなみに気を遣(つか)わなくても話は出来る。テレビは大変だ! キレイにしていないと、病気かと思われて、心配をかけてしまう。
 私のそんな心を知らず、後ろを夫が裸で通った。孫が見つけて、
 「おじいちゃん、裸だあ。お風呂なの?」
 バスタオルでうっかり出て来た夫は
 「そう、今あがったところだよ」
 まるで娘家族と同居しているような感覚だ。
 ある日の夕方、上の孫娘が母親と病院に行ったので、下の孫娘と私が、スカイプを通して留守番をしていた。
 「ばあちゃん、おなかすいた。画面の中から食べる物が送られて来たらいいのにね」
 便利なテレビ電話でも、まだ出来ない事があるけれど、明日また、スカイプしようぜ!


 

 

北海道新聞社ページへ
戻る