北海道新聞帯広支社
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「ジョッピンカケタカ」 加藤 茂樹(65)=幕別町*大樹会場 2017/09/06

 わが家の周りにはサワシバの木が多い。南側に密生しているため、駐車する車の中は強い日差しから守られて心地よいが、秋も過ぎると落ち葉が積もり、掃除をしなければならないやっかいものとなる。十勝晴れの日差しが欲しい冬は、今度はそれらの木々が少々邪魔になる。
 ところで、夏のこの時期、夕方帰宅して車を降りると、その瞬間から、「ジョッピンカケタカ、ジョッピンカケタカ」という鳥の鳴き声が耳に飛び込んでくる。姿は見えないがボリュームは大きい。「ジョッピン」とは北海道の方言で「鍵」のことだが、休む間もなくしきりに鳴き続ける。
 この鳥のことが知りたくて、「ジョッピンカケタカと鳴く鳥」で検索してみたら、その名は「エゾセンニュウ」と判り、姿を初めて確認することができた。鳴き声に耳を澄ましてみると、「ジョッピン」と鳴いて、「カケタカ」とは続かない時がある。喉の通りが悪いのか、もう一度仕切り直して鳴き続ける。でも、「ジョッピン」は、はっきりとそのように聞こえるが、「カケタカ」はかなり滑って聞こえ、時には、「カケタヨネ」と問いかけているようにも聞こえてくる。
 サワシバの木々はエゾセンニュウの憩いの場である。こちらの都合ばかりで、やっかいな木々と言ってはならない。この鳥のおかげで、車の鍵を閉め忘れることもなくなったのだから。


 

 

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