北海道新聞帯広支社
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「ロマンと遺跡」 平 良則(71)=新得町*鹿追会場 2017/08/02

 私の子供のころは、古代のことに興味をもったことなどは、なかった。
 中学生になったころより、畑の手伝いをするようになり、農作業で広い畑を歩き回る。
 そのおり、ある場所に、普通の石と違い黒く光っている石があった。親に聞くと「先住民が使っていた石器」と知る。
 その後も、見つける度に拾い集めていた。この土地の先住民族が生活のなかで、使用していたとする縄文時代の、矢じり、石斧(せきふ)、土器だと、詳しく知ることになる。
 このことがあってから、考古学に強いおもいを抱くきっかけになった。
 益々(ますます)、縄文時代に、おもいを募らせ、畑仕事を手伝うのが楽しくなった事を記憶している。
 どんな石器に「出合える」かという楽しみ、見つけた時の嬉(うれ)しさに、何ともいえない気持ちに浸っていたことを覚えている。
 時代は、馬耕からトラクター耕に変わり、深起こしされるようになり、石器類出土の数が増えた。その度拾い集めたものが、ミカン木箱に二つ程になって保存している。
 平成十年の道路工事、事前埋蔵文化財発掘調査において、私の保存されているものと、合わせて、縄文中後期の出土品と推定され、屈足F遺跡として指定された。
 十勝平野に、先人が住みだしたのは、一万四千年前だという。
 太古のロマンにおもいを馳(は)せながら、猛暑に見舞われた今年の夏を満喫している。


 

 

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