北海道新聞帯広支社
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「出産改革」 大上 加代(77)=鹿追町*鹿追会場 2017/06/28

 私は七十七歳になった。
 今までの年月をふり返り、「こんな体験は二度としたくない」と思ったことが、いくつかある。そのひとつを。
 女性が一生のうちで、恥も外聞もなく立ち向かわなければならない一大イベントは、出産ではなかろうか。
 私は二十四歳で長男を、二十七歳で次男を授かったが、助産婦さんをてこずらせた。
 長女であった私は、子供のころから母親の出産の場面に何度も出合っている。当時は、自宅分娩(ぶんべん)であったから――。
 「子供はあっちへ行っていなさい」と、助産婦さんから注意されたが、こっそり障子の穴から覗(のぞ)いていた。
 生みの苦しみとはよく言ったもので、耳をふさぎたくなる母の声に、女の子に生まれて大損したと思った。
 結婚適齢期になり縁談がもちあがる度に、結婚すれば子供を生まなければならないと、暗い気持ちになっていた。
 体験者が語るお産の凄(すさ)まじさは、本当であった。陣痛は障子の桟が見えなくなるほど痛い。力むときは、青竹を握りつぶすほどのちからが必要である。
 このところ、少子化が社会問題になっているが、お産がもっと簡単なら、と思う。


 

 

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