北海道新聞帯広支社
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「親の家を片付ける」 高原 都子(56)=帯広市*帯広会場 2017/05/31

 入院していた義母が3月に亡くなった。
 義母の気配の消えた家はいらないモノがあふれている。義父は一人暮らし。今片付けないと大変なことになる。「大丈夫」だと言う義父を「遺品整理みたいなものだから」と説き伏せた。
 「きれいだ」と言い張る台所はコバエが飛んでいた。流し台の収納スペースには賞味期限が切れた醤油(しょうゆ)や油、何が漬かっているのかわからない保存瓶が入っている。流しの上の棚には二度と使うことのない鍋や洗剤や健康食品が入っていた。
 食器棚の引き出しを開けてみる。
 割り箸の束と髪の毛が絡みついたブラシが入っていた。棚には湯飲みやコップ、もらいものの食器類が押し込んである。ラップやアルミホイル、ジッパー付きの保存袋は一生買う必要がないくらい出てきた。
 義父はソファーに座って次々にできあがるごみ袋を見ている。汚れたジューサーを捨てようとしたら「欲しい人がいるから捨てるな」と言った。
 台所だけで軽トラック3台分のゴミが出た。風通しが良くなって、広くなった。コバエが消えた台所で義父がポツリと言う。
 「スカスカだと寂しいな」
 まだ手をつけていない押し入れがある。
 「俺も片付けてもらうかなぁ」
 お義父さん、冗談には聞こえませんが。


 

 

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