北海道新聞帯広支社
Hokkaido shimbun press Obihiro branch

「また、会えるかな」 松田 陽子(65)=幕別町*帯広会場 2017/03/08

 昨年の夏、わが家の猫たちと友達になってくれた女の子がいた。四、五歳だろうか。夕刊の配達をしているお母さんの傍らを、時々ついて歩いていた。
 玄関ポーチの郵便受けの前に来ると、小さな体をぴょんぴょん背伸びさせては、出窓で戯れている猫たちをにこにこと眺める。猫たちも彼女に気付くと、猫語でコンニチワと挨拶(あいさつ)をし、頭をすり寄せて行く。
 ついほっこり微笑(ほほえ)んでしまう光景であった。
 クリスマスが間近い12月のある日。窓をコンコンと叩(たた)く音がした。あの女の子だった。冬になってからは親子で歩く姿をみかけることがなかったので、嬉(うれ)しかった。
 お母さんが女の子を抱き上げ、猫たちに顔をよせながら窓越しに会釈をよこした。
 二人が帰った後、郵便受けをのぞくと、色画用紙を二つ折りにした若草色の紙があった。
 開くと、七色のクレヨンで大きく“メリークリスマス”。折り紙のサンタさんにクリスマスベル。緑色のツリーのてっぺんには金色の折り紙のお星様。余白には雪の結晶とピンクのハート。
 「いつも ねこみせてくれてありがとう またみせてくださいね ちびより」と、メッセージが書かれたクリスマスカードだった。
 なんて素敵(すてき)なんだろう。嬉しくて、猫の鼻先でカードをひらひらさせた。
 季節に春の気配がするようになった、あの親子はどうしているだろう。


 

 

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